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エムエム総研が掲げる『インサイドセールス3.0』とは
投稿日:2021.02.24 Wed 更新日:2021.02.24 Wed

こんにちは、編集長の中山です。
今回は「インサイドセールス3.0」について書いていきたいと思います。
「インサイドセールス3.0」とは、元々インサイドセールス活動にお困りの企業様に対して
エムエム総研が考えるインサイドセールスの在り方を発信した内容です。
転職活動を通じて、エムエム総研への入社を目指されている方に限らず
インサイドセールス職への転職を検討されている方にも
是非知っておいてもらいたいと思い、
採用ブログでも取り上げたいと思います。
インサイドセールスの成功とは?
この数年で急速に取り組みが進んでいるインサイドセールスですが、
そもそもインサイドセールスの取り組みの”成功”とは何でしょうか。
わたしたちはこれを「活動の継続と事業の持続的成長」と定義付けています。
インサイドセールスの導入は、現代そしてこれからのビジネス環境において
競争優位性を産み出しそれを保ち続けるための
営業組織、営業プロセスのトランスフォームそのものです。
訪問営業が必要無いということでも、
インサイドセールスだけやれば良いというわけでも決してありません。
また、インサイドセールスの導入目的や期待する役割については
企業、組織ごとに異なっていると考えます。
そのうえで、営業生産性を最大化すること、
現代購買プロセスにフィットした顧客体験を産み出すことについては
各社共通で避けて通れないテーマであり、
そのためにデスクで行う営業を自社・自組織に合った形で取り入れて
プロセスをアップデートすることはもはや至上命題と言えるでしょう。
従って、インサイドセールスの導入に取り組む企業がまず目指すべきは、
その取り組みが継続し、新たな組織・職種として
定着し発展していく状態を創ることです。
もちろん形は適宜変化、進化していくべきですが、
少なくとも一過性の施策や瞬発的成果で終わることなく
継続していくべき取り組みであり、その成果は持続的な事業成長という形で
もたらされるべきであると考えています。
そして活動の継続、持続的な事業成長を実現するための鍵が、
経営、顧客、そして従事者の三方善しのトリプルWinの活動を行うことである、というのがインサイドセールス3.0の基本的な考え方です。
また、その中でも特に中心に据えるべきは当然のことながら
”顧客(見込み客)”です。
Loss-Lossなインサイドセールス…
しかしながら、現実に存在しているインサイドセールスの多くは
まだまだそうなっていません。
よくあるインサイドセールスの典型的なパターンは、
顧客を顧みずやみくもに大量のコールを行い大量のアポイントを取ることを
ひたすら目指すインサイドセールスです。
マネージャーが膨大なコール数やアポ数の目標を掲げ、IS従事者のお尻を叩く…根性主義をデスク営業に取り入れてみましたといわんばかりの活動。
その結果は想像に難くないと思いますが、
こういった活動は1年もてば良い方で、早ければ数ヶ月で終焉を迎えます
(長続きしているのを見たことがありません)。
それも経験…という意味ではそうかも知れませんが、
その経験によって得られる知見に対して失うものがあまりに大き過ぎます。
ひとときの大量のアポイント数と引き換えに、
お客様から嫌われ(口頭で言っていただける分には良いですが、
知らない間にネットに書かれます)、ブランドに傷が付き、
当分アプローチできないターゲットリストが積み上がります。
IS従事者も意義を見出せるはずが無く、
モチベーションの低下、対応品質の低下、ロイヤリティの低下、
そして離職へと繋がっていきます。
これらは仮にアポイント数の目標を達成したとしても、
顧客にとってLoss、IS従事者にとってもLoss、経営にとってもLossです。
さて、ここでお伝えしたいのは、よく議論されるKGIやKPIを
どの様に立てるべきか、どのくらいが適切な活動量なのか、
アポ獲得の基準をどう定義するか、というのももちろん重要なのですが、
それ以前に受取手である顧客にとってWinとなる様な
インサイドセールスに取り組まなければ活動が継続せず
成長も持続しない、ということです。
逆に言うと、顧客のWinを追求したインサイドセールス活動を徹底することで、活動の継続と成長の持続が実現され、
経営、顧客、IS従事者三方善しのトリプルWinがもたらされます。
顧客のWinを追求したインサイドセールス活動は、例えば、
☑受け取り手のことを省みないやみくもで一方的な電話を行わない
☑今すぐ案件に繋がらない見込み客もないがしろにしない
☑作業的に大量に電話やメールの発信を行わない
といったことに繋がります。
※もちろん、従事者の成長過程や施策の初期フェーズにおいては
初動を早くし量的な活動に身を投じることが必要なシーンもありますが、
その場合であってもWin-Winを目指すという
基本原則を変えるべきではありません
また、
☑顧客やお相手の理解に努め、それに基づく最適な情報提供を心掛ける
☑過去の経緯や最近の動向把握も行い1to1のコミュニケーションを図る
☑今すぐ案件に繋がらない見込み客も大切にして関係を育む活動をする
☑見せかけのアポでは無くWin-Winとなる商談や取引の創出を目標とする
といった活動とも言えるでしょう。
後述するいくつかの要素も重要なのですが、
この段階で既にIS従事者、経営にとっても
Winな活動に近づける可能性が格段に高くなります。
IS従事者は作業的・量的な活動から、顧客にとって
Winな活動を実現するために知恵を用いて工夫をする様になります。
顧客の役に立っている実感が得られる機会が増え、
特に点でアポや受注に繋がらない顧客との
関係を育むプロセス(ナーチャリング)の中で、
企画性や創造性を伴う業務が発生します。
経営にとっては、ブランドの維持・向上に繋がり、
未来の顧客と自社の人材が育まれ、
インサイドセールスの取り組み自体が継続し成長していきます。
きれいごとでは無いWin-Winの追求
顧客のWinの追求は、決して
自社の利益をないがしろにすることではありません。
むしろその逆で、昔から優秀な法人営業は
一方的で量的で画一的な営業行為を行うのではなく、
顧客と自社に対する深い理解に基づき、関係を育みながら
Win-Winの創造に努めて来たはずです。
急がば回れで、売り切る、売り付ける或いは無理矢理アポを取るということでは無く、
あくまでWin-Winに集中することで結果的に顧客との取引が生まれ、
正しい理解に基づいて取引が始まることによってLTVも最大化されていきます。
テクノロジーの活用について
次に、MA(マーケティングオートメーション)やSFA、AIといった
テクノロジーの活用についても少しだけ触れておきます。
インサイドセールスの成功においてツールやテクノロジーの活用は
必須であると考えています。
例えばわたしたちは、国産マーケティングオートメーション「SATORI」、
AI搭載IP電話「MiiTel」のユーザーでもあり
それらを取り扱う代理店でもあります。
ちなみに他にも、セールスアクセラレーター「digima」、
人工知能営業支援システム「GeAIne(ジーン)」、
営業特化のWeb会議システム「bellface」、
案件管理システムとして「Senses」等を活用して活動を行い
日々試行錯誤しながら知見を高めています。
“ツールやテクノロジーの導入は目的では無い”というのは
よく言われることでもちろんその通りなのですが、
一方でもはや「使うか使わないか」、では無く
「何を選びどう活用し進化させていくか」を考えるべき時代に突入しています。
これはユーザーとして身をもって実感していることですが、
それほどまでにできること、用いることのできる手段において
大きな差が付きます。
ただし、ここでも顧客視点、顧客のWinの追求という発想は変わりません。
例えばMAは顧客を行動面から理解することで、
顧客に見合った情報を適切なタイミングで届けるためのツールであり、
その視点で活用することでインサイドセールス活動においても
大きなプラスをもたらします。
また、先端のツールやテクノロジーに触れその知見や活用スキルを高められることは
IS従事者のキャリアにおいても重要な意味を持つことにも繋がり、
ツールやテクノロジーの活用範囲を高めることで過度な人的依存を回避し
活動の再現性を高めることにも繋がります。
未来の顧客を育む、ナーチャリングとインサイドセールス
顧客のWinを追求した活動を行う中で、
その時点では商談や受注に繋がらない顧客とどの様に接するのかは
非常に重要なテーマとなります。
事業成長を持続させるという観点においても、
未来の商談や受注に繋がる見込み顧客との関係を育み続けることは
欠かせないテーマです。
顧客との関係性を育むという観点でナーチャリングと呼ばれ、
一度商談や受注に繋がらなかった顧客に再アプローチを行うという観点で
リサイクルと呼ばれるこの領域ですが、特に、ターゲット母数が多くない商材や保有しているリード母数が少ない企業にとっては、
有限で希少な見込み顧客との関係を育み続けることは
成長を持続させるうえでの生命線と言っても過言ではありません。
この領域を、見込み顧客と最も多く接触しその”インサイト”を豊富に有している
インサイドセールスがより主導的に担うことで、
一層顧客に資する効果的な情報提供を行うことが可能となります。
同時に、その手法を電話に閉じることなく
メール、Webコンテンツ、プレゼン資料、セミナー等幅を広げていくことで、
コール一辺倒のインサイドセールスの業務に企画や製作の要素が追加され
より専門性が高く長期キャリアも描き易い職種へと昇華します。
未来の見込み顧客を創るナーチャリングの専門職が育つことは
当然経営にとってもWinです。
マーケティング部門の多くが行っている
「メルマガ配信を行いWebやセミナーに誘導する」
といったナーチャリング活動も、
もちろんコスト効率の観点では重要な取り組みではありますが、
一方で殆どのターゲットがメルマガを開いてすらくれない、
開いてもWebやセミナーに来てくれないというのが実情のはずです
(※このナーチャリング活動の形態もアメリカから入ってきた手法であり、
アメリカと違いターゲット母数が少なくかつリード獲得の障壁が高い日本で
そのまま実行してもなかなか簡単には成果に結びつきません)。
その中で1対多のコスト効率重視で行うナーチャリングと、
1 to 1に極力近づけることで効果を重視するナーチャリングをしっかりと分担し、
前者をマーケットのプロであるマーケティング担当が、
後者を見込み顧客のインサイトを最も有しているインサイドセールスが担う形が
現状の最適解であると考えます。
そしてその活動成果は、短期業績貢献と等しい重みで
KGIや評価指標を持つべきなのですが、
次のテーマでもう少し詳しく触れていきます。
インサイドセールスの適切な評価指標
最後に、顧客のWinを追求し切るためにも従事者のWinを担保するうえでも、
もう一つ忘れてはならない重要なテーマがあります。
それはインサイドセールスの”評価”についてです。
求める活動が顧客とのWin-Winの創造にシフトしたとしても、
従事者を評価する指標が結局ただのアポ数やコール数になっていたのでは
従事者は安心して邁進することが出来ません。
もちろん短期業績への貢献を評価すべきではありますが、
アポ数やコール数といった”見栄えが良く”計測しやすいものの
それ自体は何の成果でも無いもの”を評価するのでは無く、
Win-Winでの受注への貢献や有効な商談の獲得数にどれだけ貢献したかや
逆に無駄な営業対応案件をどれだけ抑えられたかを評価すべきでしょう。
そしてもう一つ、未来の顧客を育むことへの貢献を評価指標に加える必要があります。
顧客との関係性が向上する過程を段階やスコアで定義し
そのアップにどれだけ貢献したかを可視化し評価指標に加えることで、
今と未来、両方への貢献が推奨され加速します。
多くの企業において、この未来の顧客を育むことへの貢献を評価指標に加える点が
従来の営業職の評価指標と異なる新たな観点になると思いますが、
営業が”今の業績”に安心して注力するためにも手前の工程を担う
インサイドセールスは今への貢献と未来への貢献の
両方の役割を果たしている必要があります。
また、属人化を防ぎ組織力を向上させるためには、
ナレッジシェアやコンテンツの作成・共有といった
チーム貢献の側面を適切に評価の一部に取り入れる必要があります。
もちろん、インサイドセールス活動を成功させるには
戦略・戦術、業務プロセス等の設計、運用中のPDCA、
マーケや営業との組織間の連携など、他にも大切な要素はたくさんありますが
何よりもまず土台の思想・スタンスを顧客志向とすることと
IS従事者が活き活きと長く携われる状態を創ることが
本当の競争優位性を手にするために必要な要素であり、
インサイドセールス3.0における最も重要なポイントです。
インサイドセールスをもっと面白く!
以上がインサイドセールス3.0というコンセプトを打ち出すに至った
背景やその実現にあたってのポイントとなる考え方となります。
競争環境が目まぐるしく移り変わる中、
救世主の様に現れたインサイドセールスという取り組みですが
その実態はまだまだ発展途上で、これからもっとワクワクする
面白い取り組みへと進化させていけるはずです。
こういった考えをもっと世に広めていく、また
法人営業の変革、日本企業のインサイドセールスを支援するメンバーを
募集中ですので、挑戦したい方からのご応募をお待ちしております!